自分で辞書を作る
いろいろな方々がKDIC 辞書を公開して くださっていますが、自分専用の辞書を作ることができるのも KIDC の楽しみのひとつです。
自分で KDIC 辞書を作るには、次のようにします。
  1. テキスト形式の辞書ファイルを作る
  2. KDIC に付属の変換プログラムを使って KDIC 辞書形式に変換する
  3. できあがった辞書を Palm にインストールする
以下では各ステップを解説します。
1. テキスト形式の辞書ファイルを作る
テキストエディタソフト(いろいろな種類がありますが)を使って 辞書ファイルを作成します。一行に検索語とそれに対応する訳語を、
 ' /// '(SPACE + /// + SPACE) 
で区切って記述します。以下に例を示します。
    abroad /// 外国で
    absent /// 不在の
    abstract /// 抽象的な
訳語の途中に改行を入れたい場合には'\n'を挿入してください。 例えば:
    like /// [adj]同じの\n[prep]...のように\n[adv]ほぼ
    
これは、Palm 上の KDIC/KDIC DA では次のように表示されます。
    like
    [adj]同じの
    [prep]...のように
    [adv]ほぼ
    
ここでは説明のために、この辞書のファイル名を simple.txt とします。

2. KDIC 辞書形式に変換する
KDIC をダウンロードして展開したファイル群の中に、 gendic.execompdic.exe が含まれています。これらの プログラムを使って、1. で作成した辞書ファイルを KDIC 辞書形式に 変換します。これらのプログラムの実行には、Windows または MS-DOS が 必要です。(MAC ユーザの方は、植木さんが作成された KDIC Converter をご利用ください。) 以下では Windows 95/98 の例を示します。

1. 作業用のディレクトリを作成する
辞書作成用の適当なディレクトリを作成します。 ここでは、C:\TMP\KDICDIC とします。
ディスクに十分な空き容量があることを確認しておいてください。 1. で作成したテキスト形式辞書ファイルの大きさの約4倍の ディスク領域を消費します。
このディレクトリに、gendic.execompdic.exe をコピーしておきます。 また、作成したテキスト形式の辞書ファイルもここにコピーして おきます。
2. DOS窓を開きます。
スタート -> プログラム -> MS-DOS プロンプト を開きます。 MS-DOS のウインドウ が開きますので、
CD C:\TMP\KDICDIC
を実行します。
この後に
GENDIC SIMPLE.TXT
を実行すると
KDIC.PDB
が生成されます。
また、同じディレクトリに out というディレクトリが 作成されますが、辞書生成後にはこれは不要ですので 削除してしまってください。
3. できあがった辞書をインストールする
2. でできあがった辞書(KDIC.PDB)を 通常の Palm のアプリケーションと同じ方法で Palm に インストールします。

GENDIC.EXE (v1.20)のオプション
-n オプション
生成される辞書の名前を指定することができます。ここで指定した 名前が Palm 上の KDIC で表示される辞書名になります。 オプションを指定しないと、KdicDB という名前になります。 複数の辞書を利用する場合には辞書名を別々にしておかないと不便なので、 それぞれの辞書ごとに適切な名前をつけることをお勧めします。
注意:辞書名には、'[', ']'を使う ことはできません。
-o オプション
生成する辞書のファイル名を指定することができます。 オプションを指定しないと、KDIC.PDB というファイルが 生成されます。
-l オプション
巨大辞書ファイルを作成するときに指定します。 Error: Too big Index Record...というエラーメッセージ が表示された場合にはこのオプションを指定してください。 ただし、こうして作成された辞書ファイルは、Palm 上の SDカードまたはメモリースティック上にしか置くことができない ことに注意してください。
例)
    GENDIC -n SpainJapanese -o SpJa.pdb spainjapanese.txt
    を実行すると、spainjapanese.txt を入力として
    SpJa.pdb というファイルが生成されます。
    これを Palm 上にインストールすると、KDIC からは
    SpainJapanese という
    辞書名で認識されます。

GENDIC.EXE(v1.20)のエラーメッセージ
Error: No more memory
メモリが不足しています
Error: Too Long (xxx chars) Lines in input file (line yyy)
yyy行に長すぎる行があります(一行は4089バイト以下でなければなりません)
Error: Too long word in line xxx
xxx行にある検索語が長すぎます。(127バイト以下でなければなりません)
Error: Too big Index Record...
辞書が大きすぎます。この場合には -lオプションを指定して もう一度辞書の作成をおこなってください。ただし、こうして作成した 辞書ファイルは Palm 上の SDカードまたはメモリースティック上にしか置くことができない ことに注意してください。

Linux 版の gendic/compdic
KDIC のアーカイブを展開したディレクトリの 'Linux' ディレクトリ 以下には、Linux 版の compdic/gendic が格納されています。 使用方法は Windows 版と同様です。